巨大なカブ

 ある日おじいさんがカブのたねをまきました。

 「大きくなあれ、大きくなあれ。」と言いながら水と肥料をたっぷりあげました。

 そしてしばらくして見に行くと、カブが巨大化していました。

 おじいさんは、びっくりして尻もちをつきました。

びっくりしたおじいさんは、おばあさんに見せてやろうと呼びに行きました。

「わしのまいたカブが成長しすぎて大変な事になってるんじゃ。」 と言いました。

そしておばあさんに見せました。

おばあさんは 「どっへー」 と言って同じくたおれました。

この人数では、ひっぱれないと確信したおばあさんは、孫をつれて来た。

孫も「これ引っぱるの?」 と言いました。無理だと思った孫は、犬を呼んで来ました。

犬も見るなり 「むりだな。」 と思いました。そして犬は、猫を連れて来ました。

猫も「むりむりむり。」と首をふりました。猫は、ねずみを呼んで来ました。

ねずみは 「一ぺんこれで引っぱってみたら。」 と言いました。

「うんしょ、こらしょ、どっこいしょ、よいしょ。」 と声を出してみたけれどダメだった。

 

そこに働き者のアリがやって来ました。

「何をやっているんだい。」 とありが聞きました。

「カブを抜いてるの。力を貸して。」 とねずみが言いました。

「しょうがないな。」 とアリは、言いました。

アリがねずみのしっぽをかむと、ねずみが 「チュー」 と叫んで猫のしっぽをかみつきました。

猫が 「ミャオー」 と叫びました。犬のしっぽを猫がかみました。

犬は、「ワーン」 とほえて孫の尻をかみつきました。

孫は、「うぎゃー」 と言いながらおばあさんを引っぱりました。

おばあさんは、「まだぬけないのかい。」 と言いながらおじいさんを引っぱります。

おじいさんは、「もう少し。」 と言いました。

そしてスッポーンと抜けました。

 

みんなは、尻もちをつきました。そして笑いました。

でかかったのでみんなでかついで行きました。

それでみんなで分けて食べました。    (おわり)